top of page
執筆者の写真Aya Sato

【まちゼミ】ここでしか食べられない、幻の駅弁「栗こわい」の栗おこわを作ろう


みんなで作ろう「栗おこわ」(Juju庵・渡邊哲夫さん





田舎レストランJuju庵は、地元の食材を使った田舎料理が食べられるレストラン。菅田笹洞の、のどかな山の中にポツンと建っています。営業は主に春と秋の期間限定ですが、飛騨金山の食の魅力がギュッと詰まった料理を提供しています。



今回、そのJuju庵がまちゼミで行うのは、料理長の渡邊哲夫さんによる「栗おこわ」づくり体験。実はこの栗おこわ、もともと飛騨金山の名物駅弁「飛騨の栗こわい」として人気を博していたものなんです。





「こわい」とはこの地方の方言でおこわのこと。今から20年前に、鉄道利用者の減少に伴って姿を消してしまったものの、JR高山線といえば「栗こわい」弁当というほどの飛騨金山を代表する味でした。いまだにその復活を望む声もあるほどです。



「飛騨の栗こわい」弁当を作っていたのは、哲夫さんの義父の寛さん。高山線の延伸で飛騨金山駅ができたのが昭和3年。その年に寛さんは駅前に食堂兼旅館として美濃屋ののれんを構え、駅のホームや車内で駅弁の販売を始めました。昭和初期の鉄道開通当初は、車の普及率も低く自動車が通れる道路の整備や公道の舗装も進んでいなかった時代。人もモノも、鉄道の交通網を通って行き来していました。



美濃屋さんでは開業からしばらくは、幕の内弁当や助六寿司を作っていましたが、寛さんは何か特色ある駅弁をと、この土地でとれる栗を使った弁当を作ることを思いつきます。その試作品をJ国鉄(現JR)東海地区の駅弁品評会に試作品として出したところ、なんと2位に選ばれたそうです。



その後、昭和40年頃に「栗こわい」弁当として販売を開始しました。栗こわい弁当は、栗型の器に、ほっくりした甘みの栗がごろごろ入った栗おこわのおにぎりがぎっしりと詰まって、箸休めとして飛騨地方の色とりどりの7種類の漬物が色を添えていたもの。



このあたりは栗の木が自生し、秋になるとたくさんの実をつけます。寛さんは子供の頃、竹ぼおきを持ってよく栗の実をとりに出かけていたそうです。この子供の頃におやつとして食べていた栗を使って駅弁を作れないかと考えて作ったのが、栗の旨みをたっぷり味わえる栗おこわを使ったお弁当。栗こわい弁当を包んでいるパッケージの掛紙には、竹を持った子供が栗の実を突っついている姿が描かれていました。



いまでは車での移動が中心ですが、「栗こわい」弁当が人気を博していた昭和の時代には、下呂温泉を訪れる人の実に7割が電車だったといいます。

鉄道利用者の減少とともに、今から20年前にその歴史に幕を閉じた栗こわい弁当。



いまでは食べることのできないこの栗おこわを、今回のまちゼミではなんと哲夫さん自らその作り方を教えてくれます!哲夫さんは「地域の伝統の味としてもっと多くの人に楽しんでもらって、ぜひ次の世代にも受け継いで行ってもらいたい」と話してくれました。



今はもうここでしか味わえない名物駅弁のおこわ。「懐かしい」という方も、「一度食べてみたい」という方も、ぜひこのまちゼミ講座に参加してみてはいかがでしょうか。





まちゼミ開催概要


◆みんなで作ろう「栗おこわ」

開催日  10月9日(土)9:30〜13:00

10月10日(日)9:30〜13:00

会場 金山振興事務所(調理室)/下呂市金山町大船渡600−8

対象: どなたでも

持ち物: 三角巾・エプロン・マスク

材料・教材費: 800円(昼食付き)

定員: 1講座あたり10名

講師: 渡邊 哲夫

予約: 9月20日(月)からお電話にてご予約ください

   0576−32−2201(金山振興事務所)


 

Juju庵 (期間限定営業)

住所:岐阜県下呂市金山町菅田笹洞2681-1

※営業日はご確認の上お出かけください。




閲覧数:633回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page